月の娘

蒼白き月に頬を染め

天の羽衣を纏う娘は

情緒を失ったという

育ての親の恩を忘れ

月人に戻ったのだと

上辺だけを見る者は

喜怒哀楽を超えれば

悟りに達すると説き

胡座をかく神を描く

回り続く独楽の軸が

停まって見える如く

表情すら失った娘の

深い嘆きを知らない

悲しみの彼岸に立ち

涙を流す者はいない

言葉を失った詩人は

無能になっていない