何もない僕ら

まだ僕らが何者でもなかった頃

まだ勝ち組でも負け組でもなく

若くて未来があるというだけで

若くて未熟だということだけで

何者でもないことを許されてた

安い時給のバイトでも気にせず

同年代と対等に話ができていた

大人になって昔を振り返るのは

成功したか失望した人たちだけ

その他の人は今のことで精一杯

そんな中で僕は立ち止まってる

このまま何者にもならないまま

いまでも何者でもない君とただ

しずかな時間を過ごしていたい

誰かに勝ちたいと望まない僕と

誰かの迷惑になりたくない君と

会話のない二人の空間で過ごす

それ以上に望むことは何もない

何もないことが何よりも幸せで

何者でもないことが何より自由

二人の瞳の中に全てがあるから